映画『マトリックス』からみるアフガニスタン情勢について

ミスター・ビーンに似た風貌のエージェントのスミスが当初のライバルだった映画『マトリックス』。

 

キアヌ・リーヴスは様々な人種が混在した白人の風貌でコンピューターエンジニアとして何気ない日常を過ごしていた。

 

まさにアメリカの西海岸を象徴しているようなキャラクターである。


白人の支配層であるWASPがいる東海岸との対立をあらわしているようにもとれた映画だった。

 

息苦しいピューリタン的なキリスト教支配から抜け出し、自由人としてこの世を成り立たせている真理を得て、まことに平和な世の中につくりかえたい、そんなメッセージも感じる。

 

ところがである。アメリカの保守層から支持を受けそうなアフガニスタンの統治が終わり、アフガニスタン人による政治が行われそうになった矢先に起こったのが、IS系組織による軍事侵攻と軍事政権の誕生である。

 

アメリカの支援を受けていた旧支配層は処刑され、恐怖政治が行われつつあるという報道がある。

 

これならアメリカの保守層の支配を受けていた方が住民は制限付きであれ自由が得られていたのではないかと悲しくなってしまう。

 

本当にお前は飼われている羊のままでいいのか、この世の真理に目覚めないのか、自由と平等を謳歌できる新しい世界をつくるつもりはないのか、というマトリックスのメッセージだが、アフガニスタンの現状を前にして、エージェント・スミスの統治の方がましではないかと考え込んでしまっているところです・・・。