【随筆雑記】生存権と勤労の義務②

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  • さて、労働とは何か。社会福祉を通して労働者の状態を学習しています。
  • ちょっと昔の労働者がどのような環境で働いていたかについて調べてみると、当時の労働者が何を希望していたのかという情報が見つかり考えさせられました。

①ホームレス、②工場労働者、③熟練労働者、④資本家についてです。

 

①ホームレス

  • 新世界の近く西成などでボランティアをしている本田神父によれば、ホームレスの願いは「人並みな普通の生活」のようです。「働かないで楽に生きたい」ではないんですよね。生活保護の受給を諸々の事情により拒否する人も多いそう。

 

②工場労働者

  • 高度成長期の黎明に工場で働いていた労働者の手記を読むと壮絶です。「一週間に一日は休みがほしい」。とある労働者の考えるユートピア・理想郷は「一日6時間労働で大学に自由に通えること」でした。小林多喜二の世界のようでした。

 

③熟練労働者

  • 2000年のミレニアムから本格的に始まった構造改革。当時の金融などで働く熟練労働者の願いは「片道1時間半の通勤地獄から解放され余暇を楽しみたい」でした。

 

④資本家

  • 逆に目の敵とされる資本家の夢というのもあります。
  • 昭和の経営の神様・松下幸之助翁。

「水道の水のように安くて良いものをじゃぶじゃぶつくること」

「地球上で一番たくさんのありがとうを集める」

  • ワタミの経営者は子供の時にお父さんの事業が失敗、大学卒業後に就職した会社を半年で退職、佐川急便を1年で退職というダメダメなキャリア。そして某居酒屋で奉公しノウハウを貰いようやく成功したという苦労人です。どうして冷酷な経営者になってしまったのか残念です。

 

【まとめ】

  • 何だか「労働時間が1日6~8時間、お休みが週2~3日あり、好きな学問をして、世のため人のため自分のため生きる」というのはスゴイ事のような気がしてきました。半世紀以上の階級闘争によって築き上げられた労働環境なんですよね。
  • 夢のようなライフスタイルなのですが日本経済がジリ貧のなかでお先が真っ暗のような気もします。団塊ジュニアが高齢者になったときに社会はどうなっているだろうかと。益々市場の競争環境もレッドオーシャンになっていきますしね。
  • シンギュラリティ技術的特異点が2045年といわず前倒しで実現されるのを願うばかりです。
  • 今回のコロナの第一波では2年分のデジタルトランスフォーメーションDXが2か月でできたとマイクロソフトのCEOがいっているんで不可能ではないと期待。
  • コロナのワクチンも10年かかるのをワープスピードで1年で開発・製造できましたから。

【随筆雑記】いまさらピケティ。哲学者マルクスは数学が苦手!?

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  • とある事情で中学・高校レベルの数学の学習をしています。
  • 故・宇沢弘文教授の数学書ではマルクスの数学の証明は間違っているんですよと分かり易く説明があり目に留まる[注1]。
  • 哲学者マルクスは今読み返してもハッとするような鋭い考察があるのですがやはり経済学者としてはいかがなものかという感じなのでしょうか。

 

  • 京都は今でもスペクターが闊歩している珍しい土地柄のようです。
  • 昭和初期に滝川事件などでK大を追われた教授がRitsに移り総長や学長になったという昔話も。
  • 進歩革新系大学がある大学のまち・学生のまちという一面もあるんでしょうね。

 

  • さてフランスのピケティがマルクス理論をビックデータを用いて検証したと発表し世界中を仰天させました。
  • 今日の日本の大学ではマルクス経済学は教えなくなってきていますよね。

 

  • そのピケティが提案しているのが世界中の富裕層を各国の政府が連帯し資産に1%の課税をして貧困層に再分配することです。
  • ウィキリークスWikiLeaksが各国の富裕層が非課税のタックスヘイブンで税金を逃れ私腹を肥やしているのを暴露したのが記憶に新しいです。

 

[注1]

マルクスは「数学にかんするノート」で微分は矛盾するという命題を証明しようとしたそうです。

 

マルクスの証明

dx = 0, dy = 0だから、任意の数aに対して、

dx = 0, adx = 0 ⇒ dy = adx ⇒ dy/dx = a

∴dy/dxはどんな値も取り得ることになり矛盾する。

 

マルクスは「dy/dx = limΔx→0 Δy/Δx 」を、

「dx = limΔx Δx=0, dy = limΔx→0 Δy = 0」と理解してしまった。

 

現代の経済学ぐらいは理解できる数学脳がほしい。あ、ここに誤りがあるのか。経済学の数学が簡単だと思ってるんですよね。最先端の経済学を理解するには数学科や物理学科レベルの数学脳が必要だという人も。まあ基本が理解できればわたしは十分なんですけどね。

 

【随筆雑記】生存権と勤労の義務

  • エヴァを視て無性に働きたくなった。猛烈に筋トレをしたが自宅待機で鈍った身体を思い知らされる。コロナ前は社会福祉の施設で利用者の圧倒的なパワーを見せつけられ四ツ谷のジムに粛々と通っていた。下半身がクリスティアーノ・ロナウド並みに発達したのに驚いた。自分史上最高の下半身になったかもしれない。それが自宅待機でオンライン授業に移行しジムを辞め主にヨガをして過ごしていた。お腹もさらにぽっこりしている。このままでは働くどころではない。モラトリアム終了まで残り3週間。リハビリに励まなければいけない。

 

  • なぜ働かなければいけないのか。ずーっとモラトリアムでニートとして過ごしたい。そう願う人も多い筈である。だが普通は働かないで家にいる人間には世間の目が厳しい。まあ東大や京大の学生なら「お家でお籠りしているのだわ」「きっと哲学でもしているのよ」「将来は哲学や文学で凄くなるかも」と世間は許してくれるかもしれないが。

 

  • 答えとしては簡単で憲法に勤労の義務があるからですよ。若くて健康で働けるのなら働いて税金を納めてくださいね。国民の義務なんですから。「ぼくは親の遺産があり働かない。でも税金は納める。」なんて人間も世間からは白い目で見られるだろう。おそらく。

 

  • コロナに感染したら2週間の隔離、誰とも接触せずに自宅やホテルに待機しなければいけない。コロナの流行を抑えるために夜間は働いてはいけない。今回のコロナ騒動や天災などで働きたくても働けず国による庇護のもとで生活を送らなければならなくなる。仕方がなく働かない人々を責める人は少ないだろう。

 

  • 従来の労働観に亀裂を与えるような出来事である。コロナ禍ではできる限り外出は控えて引きこもっていてくださいね。オンラインでリモートワークする事が義となったのである。

 

  • しかし「施設に行く事ができず両親の介護をしています」「学校に通えないので朝から晩まで子守です」なんて働きは労働として認知はされない筈だ。アン・ペイド・ワークは仕事として認知されないのだろう。だから「ボランティアで皆の為になる(少なくとは当人はそう思っている)情報をブログにアップしていました」というのを労働として認めてくれる人は少ないだろう。まあ週刊ジャンプのアンケート至上主義みたいなところもあるのでネットユーザーが価値あると多くの人が認めた情報は評価されるのだろうけど。

 

  • ところがである。週刊誌の記者がフリーターより高給で菅総理の自宅を24時間張り込みするのは労働になる。スクープをゲットするかもしれないからだ。一つのスクープで1億円以上も稼ぐこともあるらしい。「稼ぐが勝ち」の世の中なのである。資本主義では結局。やはり労働云々よりもお金を稼ぐのが偉いという発想なのだろう。だからビットコインでもせっせとマイニングしていれば立派な労働なのだ。おそらく。

 

  • コロナ禍で在宅でずーっと引きこもっている。誰かの役に立ちたい。でも稼いではいけない。あとで色々と面倒な事になる。という人は今のご時世は多いだろう。「労働とは何か」についてもう一度再定義するのが必要になっているのだと感じる。

 

  • 追記:アン・ペイド・ワークも社会的に認知されるようになって来てはいる。ちなみに児童手当(子ども手当)は月額1万円から1万5千円。また介護手当を支給している自治体によってはあり平均月額1万円前後だそうです。

 

【ネタバレ注意】3.11東日本大震災と映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』

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  • シンジと同様にゲロを吐きそうになりながら映画を視ていた。
  • R-15、R-18指定でもいいかもしれない。意外と日本の映倫はゆるい。

 

  • なぜか序盤は宮崎駿の作品にあるようなのどかな田園地帯にいる。
  • アスカは沈むシンジに「メンタル弱すぎ」と発破をかけるがうつ病や拒食症状態のシンジには馬耳東風である。
  • 前作では優しいお兄さんキャラが自爆した。トラウマになっても仕方がない。
  •  だが果たしてシンジはメンタルが弱いのだろうか?

 

  • 東日本大震災の救助に向かった自衛隊が相次いで自殺して話題になった。
  • イラクで海外派遣されても自衛隊員の自殺が急増したという。
  • 自殺と言わなくても精神を病んでPTSDとなる人はたくさんいるらしい。
  • おそらくシンジはメンタルが弱いのではないのだ。
  • 適切なケアがなければ誰でもシンジのようになる可能性がある。
  • 精強な自衛隊員でもだ。

 

  • 最終決戦に向けてさらに追い打ちをかけるように仲間の死がシンジを襲う。
  • もうメンタル崩壊してもおかしくはない。
  • だがシンジは再び立ち上がる事を選択した。

 

  • アナザー・インパクト、アディショナル・インパクトを防ぐためにこれでもかと悲劇が続く。殉死、カミカゼ、心中などなど。そして「さようなら。すべてのエヴァ」とラストシーンを迎える。ディズニーやUSJのアトラクションに乗っているようだ。映像は相変わらずグロテスクだ。だが聖歌がBGMで鳴り響き荘厳ですらある。

 

  • そして少年は神話になった。

 

  • 映画のエンディングロールが始まっても誰一人席を立とうとしない。
  • 宇多田ヒカルの曲が鳴り響く。

 

  • 最終決戦が終わるとシンジは日常に戻っていった。
  • 映画館を後にするとシンジと共にあの世から帰還した気分だ。

 

  • わたしの日常はこれからも続く。
  • そう「人生で今が一番若いとき」であり「平凡な毎日を生きるのが重要だ」と委員長から教わったのだ。

 

【感想文】いわゆる岩隈の「英語ひどかった」発言について。蘇る、長谷川投手の英語学習@メジャー。

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スポニチ( 2019年1月5日) https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/01/05/kiji/20190104s00001007287000c.html
  • 「英語はひどいもの」「通訳の給料を支払うのはうんざり」

  • マリナーズCEOが岩隈投手に対する本音をポロリしてしまった。

  • 今回の発言はアメリカ人の本音ですね。英語が事実上の世界共通語となっているため、心の中で“英語を話せない人間=無能”と思っているアメリカ人は多い」(サイゾー記者)

  • わたしがこの時に思いだしたのが長谷川投手が出版したメジャーで悪戦苦闘し習得した英語の学習法である。

  •  長谷川投手の勉強法は、①アルクヒアリングマラソンをひたすら聞く、②ビデオキャプチャーを外付けして映画に字幕を表示させる、という今では古典的学習法である。

  • エンジェルスの仲間に映画「フィールド・オブ・ドリームス」の話をしたらウケたらしい。
  • 実はほぼ純ドメの私がRitsの外国人だらけの環境で行った勉強法と同じである。ただ令和の世ではスルーされるのは確実だろう。

  • 英語ができる学校というと上智比較文化(現・国際教養)、ICU、慶応SFCなど思い浮かぶが帰国子女だらけでネイティブ並みという印象があり純ドメの日本人には参考にならない気がする。

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  • さてメジャーというとドジャースでトルネード旋風を巻き起こした野茂英雄投手がまず脳裏に浮かぶ。

  • すっかり長谷川投手は野茂さんの陰に隠れて目立たない存在になってしまったが、実はニアミスで先に長谷川さんがメジャー挑戦するはずが相手球団と条件が合わずお流れになってしまったという。残念。

 

  • 日本人の長谷川投手がメジャーに挑戦した際の大方の予想。
  • 一年目。「長谷川なんて通用するわけないやろ」
  • これは新庄アニキもそうだったんですよね。阪神からの挑戦です。
  • なんとリリーフとして好投。
  • 二年目。「あれ、なんで。そや、メジャーのレベルがさがったんや」
  • 三年目。「・・・・・・」

 

  • ちょっと長谷川投手の経歴を見てみたい。

  • 名門大学に進学しプロになる事を夢見た野球少年は複数の高校から及びがかかった。今はなきPL学園野球部の全盛期で桑田や清原がいた。だが学校の雰囲気が合わないと辞退する。そこで監督との相性が良かった東〇大姫〇に進学すると決めた。
  • しかし朝から晩まで野球漬けの毎日で名門大の進学は諦めたという。ところが甲子園に出場し長谷川投手が活躍するとRitsから推薦入学の話が来た。名門大に進学できると喜んで入学した。
  • Ritsでは日本代表となる古田捕手ともバッテリーを組んだことがあるそうだ。
  • そしてオリックスるで念願のプロデビューをする。ちなみに後輩にイチロー野手がいた。イチローさんは常に報道記者に取り囲まれており遠征の邪魔になるためイチローさんに何度か「邪魔やねん」と八つ当たりしそうになったという。
  • 野茂投手と共にメジャーで活躍する先駆者となるが肝心の英語。記者会見で笑いをとりつかみはOKだったが、日常会話や野球用語に苦労したという。
  •  やはり長谷川投手のように純ドメが現地に飛び込みもがき苦しみながら身に付けた英語というのが普通の日本人には合っているような気がする。

 

  • ちなみにわたしは駿台予備校からRitsに進学。思いがけず大学の成績が良く、AやA+をとり 有頂天になってしまい親類縁者にメジャー行きを宣言する。ところが「行くなら自分の金で行け!ボケ」と袋叩きにあってしまった。という事で仕方がなくバイトしながら通信制の大学に通う羽目に遭う。「大〇大学なら金を出す。坊主になれ」という命令を無視しブラックIT企業に勤めた。
  • ようやく30歳でシリコンバレー発祥のIT通信機器メーカーに勤務する事ができ満足してIT業界より引退しました。

 

【感想文】映画「シン・エヴァンゲリオン」と本『ソフィーの世界』

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  • Ritsにいたときから哲学にはチャレンジした。わけがわからなかった。

  • 般若心経もわけがわからなかった。

  • 大学生にもわからないのにヨーロッパの中高生がこの内容を理解できるのだろうか。

  • 不思議だった。

 

  • とある事情で上智の哲学科の教授と関わる機会があり2年間いろいろとお世話してくれた。

  • ふっと思いだし先日に『ソフィーの世界』を本棚から取り出した。

  • エヴァンゲリオンを視聴するような感覚だ。

  • 奇跡が起きたのかなんと読むと手に取るように本の内容がわかるのである。

  • ただ三日三晩かかり私の精神はぐったりだ。

 

追記

ある精神科医が「エヴァは『ライ麦畑にでつかまえて』と同じようなものだ」と語っており真剣に視聴しなおしました。ティーンのときは「残酷な天使のテーゼ」が耳に残っていたが中年になるとED「Fly me to the moon」が気に入ってしまった。男女が入れ替わって勇敢な女性陣と女々しい男性陣。今の私には闘いたくないと怯えるシンジの気持ちが痛い程わかる。あのおめでとうのエンディングは何だったのだろう。全然おめでたくない気がする。シンエヴァンゲリオンをみればわかるのだろうか。今の私は漫画「ワンピース」でルフィーたちに「新世界なんて怖ろしい場所は二度と行きたくない」と酒場で怯える海賊のようでもある。

 

以下、読書感想文です。

 

  • ノルウェーに住むティーンのソフィー。ある日、哲学者から手紙が届く。

  • 「あなたは誰?」「世界は何処から来たの?」。

  • ソフィーはこの手紙を書いた哲学者と共に哲学史を遡りながら哲学をしていく。

 

  • 哲学とは何だろう。

  • 哲学とは、簡単に解けない難問であり、哲学者とはロダンの「考える人」のように難問を考えている人。そんなイメージがある。

 

  • 哲学とは「問題を見つめ問いを立てること」である、とこの本の哲学者は語る。

  • それも人類に普遍的な問題についてだ。

 

 

  • そう哲学とは基礎研究のようなもので時にはムーブメントを起こしてしまうのである。

 

 

【雑記】認知症の高齢者に見られる悟りについての一考察

 

【追記】2021年3月14日

  • そうそう思いだした。認知症というと一般的にはアルツハイマーが浮かぶ。近年はレビー小体型認知症が小坂憲司博士によって1995年に発見されたのだそう。さらに認知症の原因疾患となると100種類以上あるらしい。
  • レビー小体の特徴として幻視や幻聴が挙げられる。だから日本の昔話でお寺の高齢の和尚さんが「子供が走っているのが見える」なんていう座敷童もレビー小体型認知症だったりするかもしれない。

【本文】

  • 鎌倉にお寺を構えた小池龍之介・和尚が「解脱する」と宣言しサンニャーシ世捨て人になり本当の家出をした。
  • そして1年足らずで挫折し「魔境に陥っていた」と懺悔した。
  • その数年前には小池和尚は浄土真宗を破門されている。おそらくヴィバサナー瞑想などに傾倒していた為だと思われる。
  • 若い人間が「悟った」等と言うと袋叩きに遭う。老いた高僧でも「いやいや悟りなどとんでもない。一生修行です」みたいな事を言わないと寝首を搔かれない。
  • 仏教界はそんな世界でもある。

 

  • わたしはRitsを中退するかどうか迷っていたころ京都の国際禅寺に籠った。
  • 一日毎に料金が課金されていくので二泊三日ぐらいの滞在だと思う。
  • 文字通りの三日坊主である。
  • あ、三日坊主というのは続かない奴と解釈されることが多いが、三日でも真剣に修行すれば悟れる可能性もあるという意味でもある。
  • もちろんわたしは悟れなかった。ただ般若心経を読経や写経するようになった。起きた変化はそれだけである。我ながらキモイのだが今でも般若心経などいくつかの短い経典を暗記している。

 

  • さて、悟った人などいるのかとそれから日本中探しまわったがよくわからなかった。悟った人間にしか悟っているかどうかわからないというからわたしにはわからないかったのだろう。
  • ところがである。人生に切羽詰まってはじめた社会福祉。そこで悟ったような人間を目のあたりにする。
  • 小食、無言、不動。一日中、ぼーっと平和な顔をしている。そして口を開けば短期記憶は壊滅的なのだが昔の事は覚えており半世紀前の教訓めいた話を始める。
  • 「両親を大事にしなさい」などとたしなめられる。
  • そう認知症の高齢者である。
  • 彼、彼女は自分では食事ができない。生活全般に補助が必要である。
  • 「悟りとは赤子のようになることじゃっ!!!」と喝を入れられそうな出来事に遭遇したのである。驚いた。
  • そう、これは認知症、いわゆるボケの最終段階に近い状態である。老年期超越を迎えてユーフォリア多幸感に包まれる高齢者もいるらしい。
  • 「あ、きっと悟りとはこんな状態なのだ」と直感的に思った。

 

  • わたしの二十歳の頃を思い出した。京都の禅寺から帰りRitsを辞め帰郷するとそこにはすっかりボケた祖父がいた。
  • 90歳ぐらいまでは元気に会社経営をして車を乗り回していたのだが、度々事故をするようになり免許を返上したという。そして会社からも手を引いた。
  • するとすっかりボケてしまい家族の名前も覚えていない、徘徊を繰り返すようになってしまった。私のペットが蹴られた事もある。
  • とんでもない事だ。面倒を見切れないということで施設に入所することになった。
  • そうすると打って変わったように大人しくなり、ぼーっと平和そうな顔をしている。猫をかぶっているのだろうとその時は思っていた。
  • 「おじいちゃんは癒し系ですよ」と介護職に言われたのが信じられなかった。
  • 抗精神薬かもしれないが、もしかしたら老年期超越を迎えていたのかもしれないと今では思う。
  • そう身近にいたのである。
  • まるで「幸せの青い鳥」のような話だ。

 

  • さて、以上だらだらと個人の体験を述べたが、悟りとは高齢者が老年期超越を迎えた状態ではないのかというのが仮説である。
  • ブッタの行った修行は高齢者の生活を模倣し、終末期を意図的に作り出したことで脳が錯覚して老年期超越をもたらしたのではないかと推測している。

 

 

おわり